小川町へ移住 平屋を改装して暮らす 2020

昭和40年代の住まい 平屋を購入し1年ほど暮らしました。

2019.5月から始まりました。

 

昭和40年代の住まいです。

小川町への移住です。

平屋の建物を購入したのは≒1年前、そろそろ改修となりました。

 

何度か改修はされているようですが大きな改修ではなく、元々の素性の良さが見受けられました。

今のたたずまいを残しながら暖かく快適な住まいにしたいというご要望。

古い素材も活かした改修を行いました。

 

とにかく寒いのでそこは第一にと、確かに夏は暑い冬は寒い昭和のお家、冬は無断熱ですから室内は一桁の温度に、間取りのせいで風も抜けないので夏も暑苦しく苦労が多いご様子でした。

 

先ずは温熱改修と風の抜けの改善に取り掛かりました。

玄関からの風の抜けを遮っていた押入れを撤去したり間取りの変更も行いました。

 


価値ある住まいとは=経年価値が高まる住まい

無垢材や漆喰や土壁を使っても一つとして同じ家は無いのです。

ましてや改修の建物はそれまで過ごしてきた時間で経年変化があり生活の痕跡があり、それらを上手に生かすのが古い家の改修なのだと思います。

住めば住むほど素材の良さを味わえるそんな改修を行いたいと思います。

高い天井高がもてはやされますが、高ければいいというものではないと思います。

落ち着いてくつろげる空間は意外に低い天井から生まれると思います。

 

 

簡便で安価なものが優先される一般の改修の現場とは正反対の方向なのかもしれません。

地域の素材、手をかけた仕事、そして作り手と建て主の件形成を重視した家づくりを行います。 

ストーブの背中は土壁 蓄熱を考え厚めに塗りました。

床は大谷石といています。


時計の針を少しもどして、未来に負担を回さない。いま、そこにあるものを活かす。

今、そこにあるものを活かすには、工業製品・新建材に頼る改修や家づくりとは異なる知恵が必要です。

あるものを活かす、少し削ったり、修正したり、傷があるのも住まいの履歴、知恵を活かしてこそ価値ある住まいになります。

違和感なく整うことでまたここから永い住まいの一生が始まります。

住まいは簡素を旨とした上で、住む人にあったものがよいのですが、その見極めは難しいものです。暮らしの本質を見際めなければなりません。

その見極めに少しでも役に立てるように取り組んでまいります。

押入れ撤去して和室を板の間に

畳を上げて押入れを撤去しています。

北の玄関から南にかけて風が抜ければいいのですが押入れで塞がれて風が抜けませんでした。思い切って押入れ解体

玄関と部屋は大阪障子と欄間障子を入れ込みました。

 

壁は古い漆喰の上に上掛け、床は桧に張り替え

土間はモルタル仕上げの上に山砂の洗い出し、全体的に明るく成りました。


残すもの、直すもの

再利用というのとも少し違うと思っています。重ね描きをするように改修はその時その時の通過点だから。

たくさんの部材を残しました。古臭く見えてもよくよく見ると繊細な納まり、貴重な品、何を諦めて何を残すか、手を加える加えないか、これは実はとても難しい。快適さ・想い・味わい・記憶・重ね描き。

物だけではなく、床の軋みやドアの軋みもの残したい時がある。

玄関が開いた・床を歩く・ギシギシ・もうすぐ顔が見える。

玄関は木製引き戸で風を通す。

ドアを撤去し杉の片引き引き戸に変更

嵌め殺しの欄間は杉の無双窓にし、引き戸玄関なので網戸も木製で入りました。


テラスを増築

元々木製建具に木製網戸

味わいはありましたがガタガタで隙間風もひどくアルミサツシをご希望されましたがここは信頼いただいて再度木製建具で、紫外線反射ガラスでペアガラス、気密パッキンを使い引き寄せ金物でアルミよりも性能が出ます。

テラスは洋風な横使いではなく、神社みたいに縦使いのほうがこの住まいには似合います。


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