2019.5月から始まりました。
昭和40年代の住まいです。
小川町への移住です。
平屋の建物を購入したのは≒1年前、そろそろ改修となりました。
何度か改修はされているようですが大きな改修ではなく、元々の素性の良さが見受けられました。
今のたたずまいを残しながら暖かく快適な住まいにしたいというご要望。
古い素材も活かした改修を行いました。
とにかく寒いのでそこは第一にと、確かに夏は暑い冬は寒い昭和のお家、冬は無断熱ですから室内は一桁の温度に、間取りのせいで風も抜けないので夏も暑苦しく苦労が多いご様子でした。
先ずは温熱改修と風の抜けの改善に取り掛かりました。
玄関からの風の抜けを遮っていた押入れを撤去したり間取りの変更も行いました。
無垢材や漆喰や土壁を使っても一つとして同じ家は無いのです。
ましてや改修の建物はそれまで過ごしてきた時間で経年変化があり生活の痕跡があり、それらを上手に生かすのが古い家の改修なのだと思います。
住めば住むほど素材の良さを味わえるそんな改修を行いたいと思います。
今、そこにあるものを活かすには、工業製品・新建材に頼る改修や家づくりとは異なる知恵が必要です。
あるものを活かす、少し削ったり、修正したり、傷があるのも住まいの履歴、知恵を活かしてこそ価値ある住まいになります。
違和感なく整うことでまたここから永い住まいの一生が始まります。
住まいは簡素を旨とした上で、住む人にあったものがよいのですが、その見極めは難しいものです。暮らしの本質を見際めなければなりません。
その見極めに少しでも役に立てるように取り組んでまいります。
畳を上げて押入れを撤去しています。
再利用というのとも少し違うと思っています。重ね描きをするように改修はその時その時の通過点だから。
たくさんの部材を残しました。古臭く見えてもよくよく見ると繊細な納まり、貴重な品、何を諦めて何を残すか、手を加える加えないか、これは実はとても難しい。快適さ・想い・味わい・記憶・重ね描き。
物だけではなく、床の軋みやドアの軋みもの残したい時がある。
玄関が開いた・床を歩く・ギシギシ・もうすぐ顔が見える。