坂戸市 花みず木の家
完成しました。
自然素材の家に住みたい。
出来るだけ地域材を使い、体に優しい素材を選びました。
つくり過ぎることなく、お子様の成長とともに変化していく住まいを考えています。
「自然を活かす」
言葉としては良く聞きますし、私も使います。
しかし蒸し暑く過ごしにくい夏と乾燥した冷たい風が吹く埼玉の気候
夏冬相反する条件のなかでどう自然を活かすのか。
「省エネ設備」と「自然を活かす」ことの摺合せはどう考えるのか。
「自然を活かす」ということは意外に難しい。
たとえば中廊下
仕切るけれども区切らないことで風が抜け光が入る。
そんなことも一つ一つの積み重ねが「自然を活かす」事につながるのだと考えています。
建設地 : 埼玉県 坂戸市
木 材 : ときがわ木材 ときがわ町田中409 代表田中進
構造 : 在来軸組み
外部仕上げ :屋根/ガルバリウム通気工法)壁/ガルバリウム縦サイディング(通気工法)
内部仕上げ : 天井/土佐和紙&杉板 壁/和紙&杉板
床/1F桧 床暖房 2F/杉板30mm
構造材 : ほぼ全て地域材にて調達(ときがわ町山林)
柱/杉&桧 土台/桧 梁/杉&桧 4寸角
建物規模 : 敷地面積/243.03㎡ 延べ床面積/126.49/㎡
設計期間 :2014.12~2015.3
工事期間 :2015.3 ~ 2015.9 約5.0月
長期優良住宅認定取得 耐震等級2 温熱等級4 維持管理 耐久性 可変性
「自然素材の家に住みたい」
近年、そう希望する30代、40代の夫婦が増えていると感じています。
まだ小さな子どものためにできるだけ化学物質を避け、健康面で安心感を持てる環境で育てたいというのが多くの人の理由です。
自然素材ならではの、ぬくもりある表情や質感を望んでもいるのでしょう。
難しい事では無く、昔からある素材を今求められる性能で使うだけなのです。
ジャンクフードのような新建材はできるだけ使いたくはない。
多目的カウンタースペース/ダイニングの脇に設けた贅沢な長さのカウンターは、宿題をしたり家計簿を付けたり、。目線の高さに大きく窓をとってあり、空間に背を向ける形で座っても圧迫感はゼロ。
パソコンを広げたり多少散らかっていても大丈夫。
その分ダイニングテーブルに物があふれません。
間取りのコラム:ダイニングは多機能
現代につくられる多くの住まいでは柱が見えません。
家を支える柱が無いわけではありません、張りぼてで隠してしまいます。
また工法によっては柱という部材さえありません。
もちろん耐久性のため、防火のため、断熱のためなど優先事項を考えた結果、壁の中に置いておいた方がよい柱もありますが、室内では「基本見える」が自然なのです。
家づくりという行為から、その中で行われる毎日の暮らしも含め、経済性、効率性のみを優先するのであれば、住まいはただの箱でよいのかもしれません。
そのような考え方の家や暮らしを否定するものではありません。
しかしながら幼いころから住まいの中にちゃんと見える柱が有り、屋根を支える構造が見える家に暮らすことって日本に生まれたのだからやらなくちゃ損!
という考え方もいいでしょ。
コラムより 神様が近い家
納戸の壁は杉板
納戸や押入れは空気が動きにくく湿気がたまりやすいのでと、吸湿する素材がお勧め、珪藻土も吸湿しますが黴などを考えると杉板や漆喰の方がお勧め。
人目につかない壁の内部や収納まで、建築に詳しくなくても聞き覚えのある自然素材を使います。それは機能が優れているからです。
新建材といわれるものには慎重なんです。
昔から使われてきた素材は経年変化や扱い方が周知されており、永く住む上で安心できます。
一般的にはメーカ品の建具や敷居や鴨居などが主流です。
ドアや引き戸をカタログで選べば敷居や鴨居、ドア枠等がセットで搬入されてきます。
現場では梱包を説いて組み立てて留めつけるだけ。
確かな腕のある大工さんもそのような仕事を依頼されればそのような仕事をこなします。
そこに仕事に対するプライドはありません。
有るのは効率化
効率を上げればコストが下がりひいては建て主様に還元されます。
ただコストと引き換えにつくる人の気持ちや誇れる技は抜け落ちていきます。
コストのバランスを考えながら気持ちもプライドも混ぜていきたいですね。
大切につくられた物たちに囲まれた暮らしは年月がたっても味わい深い物があると思うのです。
ロフト/切妻屋根の頂点を利用し、子ども部屋にロフトをつくった。
構造的に必要な梁は全て視覚に入る、あそびながらも自然と素材に触れる機会があることを狙う。
ロフトには風を抜く換気窓
階下で開閉可能で、空気の出入口となる。
ロフトをつくる時のもう一つの目的は重力換気、気流を起し空気を動かします。