リビングの広さはどのぐらいが適当でしょうか。
住まいの間取りを考えるときは各部屋同士のつながりや、空間の大きさのバランスを考えることが大切です。
個室重視の考え方もありますが、快適な暮らしを考えると、居心地の良いリビングは個室の重要度より高いと考えます。
そのため住まい全体の面積を抑えた住宅の場合は特に個室の面積を最低限に絞ってでもリビングに廻したいところです。
住まいの間取りを考えるときに個室にははっきりとした性格を与えます。
「寝る・勉強する」などです。
そのほかのことをやろうとすると狭い。そのぐらいでいいのだと思います。
そのほかのことはみんなリビングでやる。
リビングが共有のスペースになると居心地がよいみんなが集まるリビングが出来上がります。
個室はシンプルに徹しリビングを重視する、そんな暮らしを提案したいと思います。
窓の取り方も大切
また、物理的に広い空間が取れないとき視覚的に広く感じさせる効果的な方法もあります。
まず家具の高さ、狭い空間に背の高い家具は圧迫感を生みます。視線が家具で止まってしまい狭く感じてしまいます。
逆に腰高程度の窓であれば、視線は壁まで届き、狭さを感じません。
また、同じ考えで視線の先に外の景色を写す窓があると、さらに広く感じます。
窓の取り方にも、開放感を演出する方法があります。
外の景色を写すのも視線に広がりを待たせるのに大切ですが、南も東も西も外の景色を写すのはなかなか出来るものではありません。
隣地に隣合せている面などは、窓の取り付け高さを工夫します。
地窓で空気を呼びこみ、ハイサイドライ(天井に近い上の方に大きな窓を取る)でお隣の視線を遮りながら、広がりを得ることが出来ます。
ハイサイドライとは隣地との隙間が狭くても、座った視線からでは空を見ることも可能になり、明るく開放的な窓の取り方になります。
外に広がる仕掛け
さらに建物の外部に広がりを持たせるために、ウッドデッキ等をリビングとの床と同じくらいの高さにつくることも効果的です。
ポイントは段差をなるべくつくらないことです。
段差が無くつながる床面は一体に感じられ視覚手に広さを感じます。
2階がリビングの時にも、バルコニーの床を段差なくつくれば広がりが感じられます。
また、ウッドデッキや2階リビングからつながるバルコニーはある程度の広さ(テーブルとイスが置けるくらい)が確保できると屋根はないけれどもリビングの一部として視覚だけではなく、物理的な意味でのリビングの広がりにつながります。
家具の置き方や、窓の取り方、ウッドデッキやバルコニーをうまく取り入れることで、実質的に広がりのあるリビングをつくることが出来ます。
プランニングの段階から考えておくことが大切です。
かつての客間と違い、今のリビングはダイニングやキッチンとも一体となり様々な機能が盛り込まれるようになりました。
また、廊下を持たない間取りにおいては廊下の機能さえリビングは担わなければなりません。
リビングだけで考えていくと行き詰ることがあります、そんな時はキッチンやダイニングの関係から見直してみましょう。
例えば参考のイラストを見てください。
15畳のコンパクトLDKもキッチンの考え方、作り方でダイニングとリビングのスペースは全く違ったものになります。
このように快適なリビングのつくり方で大切な事は、まず暮らし方をイメージし、リビングで何をしたいか、家族それぞれがどう過ごすかを考え思い描くことから始まります。
それは子育てや家族の価値観にも直結するするとても大切な事なのです。
水廻りや玄関などとのかかわりや、動線の整理など間違いのないものを提案することはできますが、家族の価値観など一番大切な事柄は住まう人の意識です、その上に私たちの仕事があるのです。
あなたの家族に相応しい住まいの間取りと快適なリビングを考えましょう。