土地から求める家づくり      2012.10.03

土地から求める家づくり

 

☆:土地の値段はいくらなの?

☆:建物の値段はいくらなの?

 

 土地と完成建物がセットの商品としていられている場合が多く見受けられますね、このような販売方法を通常「建売り住宅」と表現します。

 

 この販売方法は総金額が一目瞭然で、資金計画が立てやすいばかりか、金融機関の融資も土地建物が別な場合よりもスムーズに進みます。

 便利でいいこともありますが建物に幾らかけられているのか、建物のどの部分にどれだけお金がかけられているのかはブラックボックスになっています。

 

 土地の値段というのは周辺の相場に左右されるもので、一般の商品のように仕入れ原価に経費を乗せて、というような原価方式ではありません。

 

 つまり土地値が上昇しているときには必要経費以上に大きな儲けを出すことができます。必要経費がこれだけなので利益を見て土地値はこの金額です、という原価計算で売る商売ではありません。

 

 

土地の値段は周辺相場

 

必ず周辺相場で値付けされるのが土地値です。

 

 逆に土地値が下がっている場合は、必要経費を割り込み、全く利益が出ないときもあります。しかしそこは商売ですから損をしては成り立ちません。

 

そのような場合でも利益を出す方法は、建物をセットで販売し、必要経費を建物の販売価格で回収することです。

 

 しかし、周辺業者が皆建売販売を行えばそこにもまた相場価格が形成され、やたらの価格設定もできなくなり、そこで利益を出そうとすれば建設費を抑えるしかないのです。 

建売住宅という選択

 

 建売住宅だからといて質が悪いわけではなく、否定するものではありません。

むしろ内容の良くわからない注文住宅より安心できるものもありますし、現物を見て選択できる安心感もあり、質の良い家を提供しようと頑張っている業者もいます。

 

 建売住宅の残念なところは、建物のどこにどれだけお金をかけているのかわからないということです。

 

 高いお金を出すのですから本来であれば自分の望むことにお金をかけ、不必要なものは削りながら納得のいく家づくりをしていただきたいと思いますが、マンションと同じですでにできているものに求めることはできません。

 

 現在土地は長期的に見て下落傾向にあります。

土地値が下がり傾向にあるときは利益を確保するために「建売住宅」が増えます。

 

建築条件の無い、良質な住宅地を求めるのが困難な時期にありますが、根気よく探してみることをお勧めいたします。

建築条件を除外してもらったり、工夫の余地はあります、沢山の方に想いの住まいを造っていただきたいと思います。

 

 

 

よい土地とはどういう土地?

 

 建って売られている住宅ではなく、「想いの住まいを建てる」ことを目標に土地を探している方もいらっしゃいます。

 

 当事務所で設計をさせていただく住宅で、30代、40代の建て主の方の大半は土地探しからです。

当事務所に土地探しからお問い合わせをいただく多くの方は、ある程度自分で探し、23候補を絞り相談にこられます、こちらは第三者的な立場から「建物を造る」、「暮らす」という視点から評価をさせていただきます。

 

 設計事務所は不動産のプロではありません。

では、設計事務所に土地の相談をするメリットはなんでしょうか。

 

 まず不動産のプロの土地の評価方法を説明します。

不動産的考えで評価の高い(買うべき・高値が付けられる)土地は第一に転売がしやすい土地です。

転売がしやすい土地の条件とは、角地、駅近、南面道路、広い間口など一般的需要が多く、住宅以外にも転用できる土地が最高です。

 

 この視点で不動産のプロは「よい土地」を紹介してくれます。

土地の評価として転売しやすいということは資産価値が高いと言えますし、実際購入金額もそれなりになります。

 

 では、「暮らす」という視点で見たときにどうでしょう。

角地は不特定多数の視線にさらされる面が多くなり、プライバシーの面では多少不利になり、外柵工事なども割高になります。

車の交通も単純に2倍ですから安全面でも気になりますね。

 

 駅近は便利ですが、反面人通りが多く騒音なども気になりそうです。

 

 南面道路で広い間口も、建物の南側の大きな開口が道路に面することになりこちらもプライバシーの確保が難しくなります。

暮らすことを考えたときによい土地が見えてきます。

 

 土地選定からのご相談を受けるときには、「建物を造る」、「暮らす」にはどうか、という視点で候補の土地を見て素直に感じたことをご報告しています。

 

 周辺環境は大切な要素ですから、行政の都市計画から将来的な変化も予想します。

建て主さんの「暮らし方」を聞いたうえで、不動産的には評価の低い敷地延長の(旗竿敷地)をお勧めすることもあります。

 

 一般的に住まいの土地を選ぶときに転売のことを考える人は少ないのではないかと思っています。

そのような評価よりも暮らしやすくて安全な土地を求めることをお勧めしています。

 

 また、候補の土地の素性(許認可状況から過去の履歴インフラ状況)なども勘案して評価します。

水道設備は直ぐに引き込めるのか、排水は、など土地の条件によっては購入後に大きく費用に差が出ることがあります。

 

 設計事務所は一般的に土地に関してのプロではありませんが、地域で長年活動している事務所であれば、意外に土地の事情にも詳しかったり、仕事柄地場の不動産屋さんと情報交換ができていたりするものです。

 

「建物を造る」、「暮らす」という視点からの土地評価、土地探しのお手伝いもしています。

 

所沢から川越近郊東上線沿線に土地勘のある設計事務所です。

川越市近郊の土地探しはご相談ください。

 

 

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