セミナーでお知り合いになり住まいづくりの設計をご依頼いただきました。
先代が建てた昭和の住まいを解体して新築となりました。
60歳からの家づくりです。
昔の60歳と違い、仮に85歳まで暮らせれば、まだまだ25年短い期間ではないですね。
またこの時間であれば改修などもおそらく必要がなく次の世代に廻せます。
資金繰りなどのハードルも若い建て主さんよりは高くなりますが、考える価値はあると思います。
住まい方や暮らし方が確立しているので若い方よりも住まいづくりの方向性にブレがなく自分たちに相応しい住まいが実現できます。
認定低炭素を取得しています。
60歳からの住まい
さいたま市白幡の家 法定完了検査でした。
無事終了
少しほっとして3年越しの計画でしたから思い出もたくさんです。
午後14時からの検査、締め切り状態なのに中は意外に過ごせる。
勿論涼しくは無いけれどいられない暑さではないし、窓を開けるより閉めたままの方が快適、2階の空間も1階とおぼ同じで小屋裏の過熱も無い。
屋根の断熱がかなり有効に機能していると思われる。
断熱仕様は近年のベースとなってる仕様
屋根:屋根材を受ける野地板の下に45mmの通気層をつくりその下にさらに杉の野地板を張り、屋根面にセルロースを圧力をかけ200mm吹込み
壁:やはり外壁も通気層を21mm取り内断熱で120mmのセルロース吹込み
床:基礎断熱で床下も室内空間同一としています。
セルロースを使う理由は熱容量が大きく熱の伝導を遅らせることができるから。
一度暖まると熱が逃げにくい性質もあるが熱が伝わるのも遅らせることができる。
外気温がピークの時の熱が室内に伝わる前に外気が下がってくればよいのです。
真空にでもしない限り熱は必ず伝わる。
また機密性能を特別に高めていないので断熱層に入った湿気が抜けやすいのもセルロースのよいところ、壁の中に室内の空気が入ってもいいのだよ。というつくりです。
勿論結露計算を行い安全をクリアーした地域での使用となります。
近年の関東の断熱で一番気を付けるのは屋根です。
埼玉の屋根断熱は東北で冬に備えるのと同等にすることで夏に対処できます。
天井断熱では難しい、屋根断熱と屋根通気層が効きます。
さらに室内天井を空気層を挟んで2重に張るという技もあります。
埼玉の夏は屋根断熱が大事
そうすれば冬は大丈夫。
60歳からの家づくりでは光熱費のかからない省エネな暮らしも大切です。
大工工事も8割がた終わり、内装仕上げの確認です。
仕上げの和紙の色柄を決めました、和紙はビニールクロスほどたくさんの色柄やテクスチャーはありませんが、迷うぐらいは選択肢があります。
質感として木部に合わせるには最適な素材です。
断熱材は最近の定番であるセルロースファイバーです。
壁に120mm 天井には200mmを圧力をかけて充填します。
良い点は専門業者の施工なので施工精度が期待できます。また製品としては比重が重いので遮音性に優れ、道路沿いの条件ではとてもお勧めできます。
新聞紙のりサイクル品なので資源的にも環境負荷の少ない断熱材です。
構造がほぼ終わる段階で大切な確認があります。
見えなくなってしまう箇所の確認を行います、構造耐力壁の適切な施工、金物、防水下地などをこのタイミングで確認します。
勿論施工者も間違いが無いように確認しますが客観的な目で見ることも大切です。
ここが設計者が監理者として入る意味のあるところです。
設計施工の会社やハウスメーカー、分譲住宅は自社設計なので確認はしますがどうしても自社の仕事なので確認も甘くなりがち、対して設計事務所の監理は建て主さんの委任をいただき、建て主さんの代理人として確認いたします。
客観的にみるということは大事なことです。