無垢材の経年変化2

無垢床の経年変化による変色について

 

 無垢床材は主に紫外線の影響により変色します。

また、紫外線以外では金属やアルカリ性物質に触れていると変色することもあります。

 

 一番影響が大きい紫外線による変色のメカニズムを考察してみましょう。

紫外線に影響を受け変色する主な原因は木材の成分「リグニン」です。

リグニンは紫外線を吸収する過程で分解され、変性していく過程で木材の色に変化をもたらします。

紫外線の影響での変色では、樹種によって色が濃くなるものや、色素が薄くなっていくものなどもあります。

 

 一般的によく使われる桧や杉などは時間とともに「あめ色」濃くなり艶っぽくなり、杉であれば新しい時にあった赤白の濃淡や節の色など、桧であればピンク色の部分や節の部分などは色が抜け、ほぼ均一な色になります。

外材ではチークなども新しい時の色の濃淡が無くなり均一になり全体的に深みが増してきます。

色の変化幅や変化の大きさも材により変わります。

 

 桧や杉などよりも松系の素材、パイン材などは変化幅が大きく早くあめ色になりその色も深くなります。

また紫外線は太陽光からだけでているのではありません、照明器具の明かりによる変色もありますので室内だからと言って変色しないわけではありません。

ただ縁側や出窓など外部に近い方が当然紫外線による影響は大きいので早く変色していきます。紫外線カットガラスやカーテンをこまめに引くなどの行為で変色を遅くすることは可能です。

しかしリグニンの影響による変色は表面のみで約0.2mm程度と言われます。

新しい状態に戻そうと思えば、パーパー掛け(サンドペーパー)をしたり鉋をかけることで蘇ります。

 

塗料による変色への影響について

 

 無垢板は床板にしろ壁板にしろ内部であろうと外部であろうと無塗装でも使えます。

 塗料は主に汚れ防止と変色防止、表面保護の目的で使われますが、オイル系やウレタン系の塗料は色の変化を加速させます。

オイルフィニッシュの家具特にアンティーク家具に濃い色の家具が多いのはオイルの影響です。オイル自体が酸化重合し濃い色に変化し、木材の変色との相乗効果で寄り深みのある飴色となります。

 また変色を防ぎたい場合も塗料を使うことになります。

酸化チタンを配合した塗料やワックス、紫外線吸収剤を配合した塗料です。

 

経年変化での風化とは

 屋外で木材を使うと屋内では飴色に変色する木材もシルバーグレーに変色します。

屋外ではシルバーグレーになる原因は雨です。

紫外線いよって分解されたリグニンは水に溶けやすく、雨によって流されシルバーグレーになるそうです。

リグニンは木材の骨格を形成している物質の一つで流れ出すことにより表面から劣化が始まり木材繊維が粗い状態になり、隙間が出来、隙間から紫外線が繊維内部にまで届き、またリグニンが流失することになり表面から劣化が進行していきます。

 

UV加工という選択

 無垢材とはいえ商品化された床板や壁材ではUV加工された商品もあります。変色を避けるためであれば一つの選択肢ですが、柱や梁や木部が多く露出した空間では床だけ、壁だけ将来にわたり変色しないのは違和感が出てきます。

 

 

 また、せっかくの自然の物なのであえて化学物質による加工はしていただきたくいないと考えています。

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