建設地 : 埼玉県 上尾市
木 材 : ときがわ町 周辺の山林
構造 : 在来軸組み
外部仕上げ : 屋根/ガルバリウム通気工法) 壁/ユニプラルコテ仕上げ(通気工法)
内部仕上げ : 天井/土佐和紙&杉板 壁/漆喰&杉板
床/1F桧12mm 床暖房 2F/杉15mm
構造材 : ほぼ全て地域材にて調達(ときがわ町山林)
柱/杉&桧 土台/桧 梁/杉&桧 4寸角
建物規模 : 敷地面積/160.01㎡ 延べ床面積/138.41/㎡
設計期間 :2015.3~
工事期間 :2015.12 ~ 2016.6 約7.0月
長期優良住宅認定取得 耐震等級2 温熱等級4 維持管理 耐久性 可変性
リビングには外に続く土間があります。
土間は内にありながら外のような場所、さて今日は何してあそぼうか。
土間は蓄熱性の良さを利用し、蓄熱床暖房となっています。
リビングも温水床暖房を入れ、建物すべてを柔らかく温めます。
間取りは行き止まりのないぐるぐる廻れ桝、要は一筆書きみたいな間取りなのです。風も抜け床暖房で温められた空気も良く巡る。
夏、土間から入った風は2階の塔屋から抜けていく、気流を生む仕掛けがあります。
素材となる木材はいつものように近場の林業地、ときがわ町周辺で調達しました、壁には漆喰、天井には和紙を貼り、シンプルな素材でまとめました。
構造材となる柱梁はできるだけ室内に現すようにしています、住いを支えている構造が見えるということが安心感につながると信じています。
また伐採や皮むき、和紙漉など、子供たちも住まいづくりに参加しました、きっとお家が好きになる。
どんなに長持ちするようにつくっても子供たちに愛されなければ30年で壊されます。
しっかり造るハードはとても大事、でもそれだけじゃ駄目なんです。
昔から茶の間周りには家事にまつわる家計簿や道具類がありました、小さな整理棚を置いてこまごまとしたもの使いやすい位置に整理してあったのではないでしょうか、現在でも同じことが言えますが、家事に欠かせない道具は変わりました。
ダイニング周りにあると便利な家事道具類は、電話・FAX・パソコン・プリンターなどがありますね。
また、料理の本や、お子さんが小さい場合は絵本から、ちょっとしたおもちゃ、学校関係のファイル、地域の連絡簿などもありそうです。
そこでそれらの道具が置けて作業が出来る家事コーナーを作ることをお勧めしています。
住いは合理的な方がいい、機能的なの方がいい。
確かにそれはそうです、限られた予算限られた面積に中で可能な限り機能性を高めることは設計の重要な要素です。
だからといって一切無駄のない、ただの箱ではなんだかつまらないと思うのです。
家の一部にアクセントのように設える「遊びの場所」は暮らしを楽しくしてくれる。
そう思うのです。
要望があるからとか、ないからとかそこはまた別の問題で、要望があろうとなかろうと暮らしにプラスになると考えれば「遊びの場所」をつくりたい、もちろん勝手につくるのではなく、お話をいたします。
「子供部屋狭くしてホールにベンチのある絵本コーナーつくろう」って
子供たちが大きくなれば並んでいる絵本が小説になるでしょう、北側採光の落ち着いた空間、階段から流れる気流で夏も一番涼しい場所、冬も床暖の暖気が上がるとてもいい場所なのです。
本棚は一部階段手摺の厚みを利用しています。
文庫本程度の厚みは十分に取れます。
限られたスペースを有効に使うことも設計の大切な要素です。
箱階段(取り外し可能)
この家には階段が二か所あります。
箱階段は本棚と移動という二つの機能があるんです。
箱階段はこちらにも
キッチン食器棚は造作としました。
素材は手に入りやすく、比較的吸湿性の高い杉で造っています、杉は桧に比べ匂いも少なく食器棚とするには向いています。つくり方にもよりますが広葉樹ほど金額的にも高くならないのもいいところ。
子供部屋はまだワンルーム 梁などの構造は部屋を間仕切ることを前提に構成していますのでその時が来ても慌てることはありません。
基本的な考え方として構造が見えるということがスタンダードなのだと思います。
隠す必要がなぜあるのか、見せたくないつくりをしているのか、そうは思ってしまいます。
もちろん見せるためには見せられる仕事をしなければいけませんが、その技術を持っているのに使わないのはとても残念なことだと思うのです、柱があり、梁があり、お家を支えているという視覚から学ぶものもなにかあるのではないかなと考えています。
ロフトの写真にある横長の開口はと四角い開口は、下からの気流の呼び込み用です、北側に設けた上部の窓から気流は抜けていきます。
サブの手荒い洗面はカウンターに乗せた簡単なものですが、洗面所ではなく、ホールや廊下などに置く場合、洗面化粧台という既製品を置かれてしまうとどうしても素材感や形態から違和感を覚えてしまいます。
ここはひとつこちらに任せてください、そんな感じです。
外壁はユニプラルこて仕上げで通期工法
屋根はガルバリウムの縦ハゼ、通気層は2重垂木で60mm確保
土間の仕上げは小粒の洗い出しです。
玄関ドアは木製ですが既製品を使っています。
大体いつもこんな感じの素材で仕上げています。
引き渡しです。
まだ外回りや内部の細かなところで不備な点はありますがお引渡し&お引越し
全て完了してのお引越しがベストなのは言うまでもないけれど、いろいろな事情で押してしまうこともあります。
今回はそんな感じですが、皆さんのご協力ありがとうございます。
片付けに追われるゴールデンウイークですね。
天気のいいお引越しでした。
自然の営みの中で手に入る素材を多用した家だ。
そのような素材は工事の効率化とは仲が悪い、でもそれは仕方がない、あきらめて粛々とやっていくしかないのです。
通常より短い工期の中で、工事は頑張ってくれた。
建て主さんも快くと言っていいのかどうかは微妙だけれどがまんしてくれた。
みなさまありがとうございました。
そしてもう少しだけ残工事を楽しみましょう。
面白い階段いなりそうです。
階段は上下を結ぶ通路、毎日毎日使います。
機能性だけじゃない「何か楽しい事」
が出来ないかなといつも考えています。
白い紙はセルロースファイバーを抑えているシートです。
内部造作施工中
大工工事が進んでいます。
造作材は全て杉としました。
既製品を使わないので全て大工さんの手加工です。
大工さんも当たり前のようにやってくれますが、どうも一般的な事では無くなってきたようです。
寒い寒い雨の日でした。
現場にてコンセントなどの打ち合わせ
図面で見るのと現場で見るのとでは感覚が違いますね。
やっぱりここにもコンセントがほしい!などなど
さて屋根の上では板金屋さんがガルバリウムの施工中
縦ハゼという貼り方を指定しています。
水切れもよく雨仕舞のもすぐれ、比較的コストも落とせる施工方法でお勧めです。
通気垂木
屋根の輻射熱を防ぐために何時も屋根は2重になります。
野地板も2重で屋根の上に屋根を置く感じで熱対策を行います。
基礎コンクリート打設
年内は基礎工事までで年明けまで養生期間となります。
コンクリート強度はfc30です。
配筋検査を行いました。
また第三者機関の配筋検査も受けました。
構造図の指示通りに配筋され、きれいで良好な配筋です。
コンクリートを打つ準備が整いました。
基礎工事始まりました。
調査の結果、良好地盤なので改良や杭打ちの必要はありません。
白いシートは下からの湿気を防ぐポリエチレンシートです。
コンクリートは湿気を通すのでコンクリートの下に敷き込みます。
きれいに隙間なくがポイントです。
伐採見学会でお家に使う木のふる里を知りました。
楽しかったですね。
だいたいいつも
こんな感じの打ち合わせ。
工務店事務所にて
工務店事務所で見積もり前の最終打ち合わせ。
図面い現せないニュアンスや確認事項などなど
設備などは全て確定ではないので暫定的な部分なども確認など
この後は見積もり~金額調整~工事契約という流れです。
許認可関係では地区計画を提出しました。
構造計算も始めました。
意匠的には手摺の形状や窓の種類など細かな事を考えています。
設計者は建て主さんの意見は当然聞きながら希望することを具現化していきますが、すべて「おっしゃるとうり」「なんでもできます」ではありません。
この家が進むべき方向を見据えながらコンセプトがぶれないように修正しながら、進みます。
時には「それはちょっと違う」ということも必要な場面があります。
施工者も含め同じ方向を見て進めればいいなと考えています。
今日は地盤調査です。
詳細試験となりましたので土質サンプルも採取です。
おもちゃがあれば打合せも大丈夫
でも2時間は持たないな。
だいたい1時間半がいいところです。
正味1時間というところでしょうか、回数でカバーしましょう。
具体的な図面の作成に掛かります。
契約は5月30日となりました。
契約はプランを見て頂いたりお話をして信頼関係が築けると判断した段階で行います。
設計契約とは形がない物に対しての契約なので物を買うのとは違います。
信頼関係と今後の期待を買っていただくということになります。
なんだか難しいですね。
もちろん設計費用から建築費までの費用はこの時点で概算把握していただきますが
この時点ではあくまで概算です。
施工者(工務店もいないので)
南道路で一般的には理想的な土地かもしれませんが地区計画で高さ制限が厳しい場所でいつもの単純な切妻屋根では納まりそうにありません。
寄せ棟屋根は風が抜けにくいので一工夫必要です。
土間はどうでしょうか南側に土間
リビングから土間、土間から庭へ繋がりたい。
又プラン以外にも工事中の建物やお住まいの方の家なども見学しました。