ダイニングは多機能空間 01
住まいの間取りの中でもダイニングはどこよりも家族の距離が近い場所です。
また、住まいは人が集う場所、人が集えば食の場が生まれ、みんなで食べる時間は楽しくて幸せな時間です。
何でもおいしく感じる楽しいダイニングが出来ればいいですね。
現代の暮らし方ではダイニングが暮らしの中心になり、食事だけでなくたくさんの家族の物事が行われ、昔のお茶の間の延長線上にあります。
ダイニングに最低限必要なものは家族全員が集える、空間的な大きさと、座卓にしろ、テーブルにしろ、人数分の食事が揃えられる大きさのテーブルです。
また暮らし方によってはダイニングとリビングの機能を一緒に考えることもあります。
それぞれの家族の暮らし方から考えてみたいですね。
食生活の豊かさ?
「食生活の豊かさ」と言われ何をイメージするでしますか、新鮮な食材や、多種多様な料理を思い浮かべるかもしれません。
確かにそれも豊かさのイメージですが、もう一つ大切なことは家族が揃いともに食事をするということだと思います。
みんなで食べるとおいしいね。
それを実現するためにはある程度余裕のある空間が必要です。
家具屋さんに行くと4人掛けダイニングセットや6人セットなどが置かれていますが、お勧めするのは一回り大きなサイズです。
空間の広さに制約される物ではありますが、必要最低限のサイズでは来客時やほかのことを使用と考えたときに使い難くなります。
その少し大きめのサイズを置いたときにどうなのかを考え、どうしても狭いと感じたときはリビングとの関係、キッチンとの関係を見直してみるとまた別の空間の使い方が見えてきます。
イラストはキッチンの機能とダイニングを兼ねた間取りです。
コンパクトなLDKの場合にとても有効なスペースの利用ができます。
日本にダイニングという言葉が生まれ、認識されるようになったのは1960年以降のことです。
歴史は浅いのです、それ以前ダイニングの機能は「茶の間」と呼ばれ、食事だけではなく家族の居間を兼ねたくつろぎの場所でした。
その後、各部屋の機能を独立させる欧米系の考えが導入され、茶の間は食事をするダイニングと、くつろぎ来客も迎えるリビングにと分離されました。
くつろぐ場所としてのリビングの定義により、ダイニングはただの食事の場所と捉えられるようになり、ダイニングはただ食事をするだけの場所として居心地のあまりよくない単一な機能の空間になってしまいました。
また、便宜上キッチンの空間を広く取り、その中にダイニングテーブルを置くプランも多くみられました。
調理をする場所と食事の場所が同じ空間というのは、配膳など便利な部分もありますがどうしても雑然とし、くつろげる場所には向きませんし、まして来客を迎え一緒に食事をするという空間にはなりえません。
食事だけでは無く食事の後もくつろげ、さらに食事以外の事もこなしたいのが今求められるダイニングの在り方です。
そう考えてくるとダイニングとリビングを明確に分ける必要も無いのかもしれません。
食事後も寛げる大き目なテーブルとゆったり座れる座り心地の良い椅子が家族分有ってもいいし、どこでも座れる大きな座卓なんて言うのもリビング兼用でいいと思います。
くつろげて長居が出来るダイニングを考えていきましょう。