リビング階段の途中から 市ノ川の家
子供部屋の配置で大切なことは「家族と顔をあわせるということ」
個室がほしい年ごろになってもお母さんお父さんの顔を見て「おはよう」「ただいま」「おやすみ」が言える間取りにしなければいけません。
これはプランの工夫で何とでもなります。
自分の部屋への経路として家族の集う場所としてのリビングを必ず通過させる。
たとえ家族が不在であっても小さなときから過ごしてきたリビングを通ることにより「家に帰ってきたんだ」という意識を持たせることが大切ですね。
玄関から個室へ直行はやめましょう。
また、家族がいれば不機嫌なときでも「ただいま」くらいは言えるはず、様子がおかしければ親も気が付きます。
リビング階段は空間を広くするために取り入れる場合もありますが、自然に会話が出来る間取りなのです。
これも「住まいが子供にできること」のひとつです。
どこまで個室化してあげる?
冷暖房の効率性の問題もありますが、提案したいのは「扉も付けない子供部屋」です。
居るかいないかだけではなくお互いの気配までわかります。
カーテンやクローゼット書棚で兄弟の部屋と仕切るのもいいですね。仮にドアを付ける場合でもガラス窓を付けるなどして中の雰囲気がわかるようにするだけでも子供の様子は伝わります。
仕切りがしっかりしていないと、ドアが無いと、兄弟の部屋がうるさいですか?
それはルールを決めれば解決できます、相手が勉強しているときには友達は呼ばない。
音楽はイアホンで、電話をしたいときは別の場所で、ゲームはリビングで、個室にTVは置かない。など兄弟同士、家族同士で話をして我が家のルールを決めればいいのです。
家の中に「離れ」をつくらない。
こどもが帰ってきているのかわからない。
お父さんと一週間あっていない。
誰が来ているのかわからない。
玄関の鍵さえ持っていれば家族は家への出入りは自由ですね。動線として玄関から個室へ直行でき、ドアで仕切られるのであれば屋根が同じだけで「離れ」に住んでいるようもの。
子どもに会いに行かなければ顔も見られない、というような状況はつくらないようにしましょう。
間取りを組み立てるときに平面だけで考えると個室化しがちです。必要な大きさや必要な収納を考えるときどうしても区画して考えてしまいます。そのほうが整理しやすく、まとまりやすいからです。
プロの設計士でもそのような考えでプランを進める方は多いですし、私も企画プランなどを依頼されるとそのような手法でプランニングをします。
大切なのはそのような過程で一度まとまったプランをそのままよしとせず一度解体し、スリム化していくこと。
本当にこのサイズが必要なのか
本当にこのドアは必要なのか
特に子供部屋は成長に伴い変化していくものと捉え最初から「作り込まない」これが大切です。