家族みんなが集まり、来客も迎え入れる、家の中で一番居心地がいい場所にしたい。
どの部屋にも通路に当たる部分があります。
通路とは判り易く言えばドアの前、だれでも通る通路に当たります。
住まいの間取りの中心であるリビングは家族みんなの動きが交差します。個室以上に通路部分の位置は大切な要素になります、動きやすい、動いたときにほかの人の邪魔にならない通路部分の設定は大切です。
プランニング段階で何度も何度も暮らし方をシュミレーションしてみるとだんだん整理されてくるものです。
廊下のないリビング中心の間取りでは、リビングから階段、リビングから洗面やトイレ、リビングからキッチン、玄関ホールなどいくつものスペースにアクセスしています。
この通路が整理できていないと家具の配置などで納まりが悪く、居心地の悪い、使い勝手が良くないリビングになってしまいます。
たくさんの通路(動線)があると必然的に家具の配置は限られます。
ソファーとTVの間を横切るような動線はできれば避けたいところですので計画段階が大切です。
あちらこちら通路があるリビングは交差点のような空間で便利なようでいて落ち着きがなく、寛げなくなってしまいます。
居心地の良いリビングを目指すためには各スペースの出入り口を整理することが大切です。
キッチンと洗面を隣り合わせにし、キッチンへのアクセスと洗面アクセスを同一にする。
階段とトイレのアクセス方向を同一にするなど間取りの工夫で出入口は整理できます。
また、家具の配置で動線を整理することも考えましょう。
リビングの中央にソファーやテーブルを配置するのも意外に有効で、ソファーの前を横切らない動線をつくることが出来ます。
さらに、家族それぞれのリビングでの使い方に合わせ、家具でリビングの中をいくつかのスペースに分けることも考えられます。低い家具であれば区切りながらも一体感のある空間がつくれます。
「くつろげる=落ち着く空間」は動線で決まる。
家族が自然に集まり、くつろげる空間はある程度の広さが必要です。
どのぐらいの広さが必要か、どのくらい家具があるのか、考えることはたくさんありますが、子供たちは成長してくると一緒の空間にいても違うことをして過ごすようになります。
年齢が違うと、性別が違うと余計過ごし方は違ってきます。
みんなが集まるリビングにするには、将来のことも少し考え、余裕をもっておきましょう。
また、広ければいいかというと、広すぎる空間で全く動線と離れてしまう孤立したスペースでは家族との関係が希薄になり寂しいもの、同線と離れすぎない工夫も必要です。
ただし書斎コーナーなどは動線とはずれたところにあると逆に落ち着いて使いやすくなります。
くつろげるリビング空間は通路になる動線と溜りになる空間が分離されていることが大切です。
ソファーの前などはできれば動線をつくりたくありません。目の前を横切ったりすると、本を読んでいたり、TVを見ていたりする時に落ち着きません。
「くつろげる=落ち着く空間=居心地の良いリビング」は動線で決まります。
家具の配置も含めてプランニング段階での十分な検討が欠かせません。
スペースの有効利用
ダイニングテーブルが置けて、ソファーが置けて、そんなリビングが理想かもしれませんが、限られた面積の中で全てを満足させることはできません。
そもそも自分たちの暮らしにソファーが必要なのか、ダイニングテーブルが必要なのかそこから見直してみましょう。
ソファーを置くために小さくなったスペースに置かれた4人家族に4人掛けのダイニングテーブルは食事をするだけのもので、居心地よく寛ぐための装置にはなりえませんね。
寛ぐはずのソファーも目の前にダイニングテーブルがあったのではどうでしょうか、寛げる空間になるでしょうか。
どちらかをきっぱりあきらめ、どちらかを目いっぱい充実させてしまう手もあります。
たとえば4人家族で8人座れるテーブルはどうでしょう。
リビングの中心に据えて、子供たちがご飯を食べていてもお母さんたちはお友達とお茶を楽しむこともできます。
お父さんもゆったりと新聞を読むこともできます。
大きなテーブルはとても便利なもので、いろいろなことが同時に行えます。
スペースを有効に利用し居心地の良いリビングの工夫を考えましょう。