住まいの建築に自然素材系接着剤を使う
現代の住まいづくりにはたくさんの接着剤が使われています。工法によっては接着剤によって成立しているものもあるぐらいで、接着剤を使わない家づくりはもはや希少なものとなりました。
その接着剤の多くは、化学的に合成され多種多様に生産され、建築系ではウレタン系、アクリル系、エチレン酢酸樹脂、エポキシ系、塩化ビニール系などが多く使われます。
このような化学的に合成された接着剤は1930年以降に次々に開発され、一般的に住宅建築に普及したのは1960年代の高度経済成長期からと言われています。
つまり大量生産、生産時間の短縮を目指すために化学的接着剤は必要不可欠なものとなりました。
住まいに使うに当たって知っていなければいけないこと
合成樹脂ともいわれるように、多種多様な成分が含まれ、すべてが明らかになっているわけではありません、また明らかにされたところでそれが安全なものであるかどうかの判断も容易には付きません。
明らかに人体に有害であることが判明している物質に関しては20003年のシックハウス法にて使用制限がなされましたが、今に至るまで、20物質が規制されたのみで精査は進んでいません。
環境ホルモンへの影響が懸念される物質や、自然界では容易に分解されない物質などがあり心配です。
出来るだけ使う量を減らす、使わないつくり方を考えることもこれからの家づくりに関わるものは考えていかなければいけないと思います。
少し昔にもどった家づくりには昔からの接着剤を使いたい。
べニアに囲まれた家をつくりたくはありません。
ビニールで覆われた家を設計したいとも思いません。ではそのような家に使う接着剤は何がよいのでしょうか。
住まいに使える自然素材系接着剤
代表的な物に動物質タンパク質が原料の「膠」ニカワ
植物由来の澱粉を由来にする「澱粉のり」
天然ゴム系接着剤
牛乳タンパク質原料の「カゼイン接着剤」
などがありますので以下に簡単な特徴を掲載します。
膠(ニカワ)
動物の骨、皮、腱などから抽出されたタンパク質コラーゲンが原料で、加水分解してペプチドを成分とします。
特徴としては焦げたような独特なにおいがありますが、効果の過程で匂いは薄れていきます。
接着は自然素材系では強力な部類となりますが、施工性では化学的な物には劣ります。
また、は硬化していて使えません。50℃以上に加温し溶かして使いますので冬場の使用は常に温めていないと使えません。硬化時間もゆっくりとしていますので、次の作業に入る必要がある場所では工程にゆとりが必要になります。
大きな特徴として「再溶融」と言われる特徴があり、加温して暖めることにより、接着が緩みはがすことができ、再度接着させることもできます。この特質は弦楽器製造に適し、繰り返しのメンテナンスに堪え得る接着剤としてなくてはならないものです。
建築的には木材同士の接合に適し、壁紙などにも使えます。
整理中25.5.01