建物の価格 その一
☆ 坪幾らというけれど・・・・
坪幾らの表示は建物面積(坪数=畳二枚が1坪)に単価をかけると建物総額が出るという仕組みです。
では建物総額とは何でしょう。
建築主サイドから見れば建物総額と言われれば引っ越しさえすれば、カーテン、アコンは別としてもとりあえずは住める状態をイメージするのが普通ではないでしょうか。
しかし施工者サイドの見方は違います。
まず、土地条件がそれぞれ違います。同区画の分譲住宅でもない限りそれぞれ土地の形状が、道路との関係が違うのが普通です。
要は土地形状によりかかる費用が違ってくるのです。浄化槽が必要であったり、擁壁が必要であったり、水道、下水の引き込みが必要であったり、雨水浸透処理が必要な場合もあります。
これらを含めて坪単価を出すと物件ごとのばらつきが多すぎて比較しにくくなります。
このような理由から一般的には建物外部の工事はすべて坪単価には含まない施工者が多く、建物総額のつもりで見た金額に実は足りない部分が沢山あって資金繰りが狂ったというようなことが起こるのです。
さらに坪単価が低く表示してあれば建物総額が安くイメージさせられるという考えのもとに、通常建物価格に含まれるであろう工事までも別途工事とする会社も見受けられます。
たとえば、網戸、網戸がなければ夏の夜は窓が開けられない=生活が成り立たないですね。
防犯上の窓格子も最低限ほしいところだと思いますが施工者によって様々です。
また、坪単価に設定している材料なども実際にどのようなものなのかブラックボックスの中です。
あまりにも程度の低い仕様であれば、かなりの部分で取り換えが必要になり、アップチャージが必要になるかもしれません、見かけの数字に惑わされないようにしなければなりません。
坪単価はこのようにつくる側の都合の良いように操作されています。
では坪数はどうでしょう。
坪数は数字なのでごまかしはないだろうと建て主サイドは思います。というか疑わないのではないでしょうか。
通常設計事務所が言う坪数とは確認許可に記載されている面積のことで、建築基準法で定められた面積算定方法に準拠した数字になりますし、現実的な数字で、住宅ローンなどもこの数字が使われます。
これが施工者によって坪単価と同じようにつくる側の都合で操作されていることが多く見受けられます。
設計的には床面積に算定しない、玄関ポーチや、吹き抜け、施工者の中には跳ね出しバルコニーから、物外周部の軒が出ている部分まで坪数としてカウントし、坪数を増やし、安く表示した坪単価を回収しよういう意図が見受けられます。
見積書の書き方も巧妙になっています。
業者決定に当たっては諸費用を含めた総事業予算が把握できるまで控えられたほうが無難です。
設計事務所ではまず総額予算をお聞きしたうえで、諸費用を勘案しどこにお金をかけていくのかじっくり相談しながら家つくりを進めていきます。
見積もり確認などのご相談もお受けいたします。
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