手触りとは言いますが目触りとはいませんね。目では触れないのだから当然ですが、なんとなくこんな言葉を使いたい壁に使う無垢材です。
目のさわりがよいとは目に優しい事、見た目にうるさくないことを言いたいのです。
床に使う無垢材はかなり節がある材料でも、また赤身や白身など色味が違ってもそうは気になりません。
常に視界に入っていても床の材料は不思議と気にならないのです。
ところがこれが壁に使われると途端に自己主張してきます。
また狭い空間であればあるほどその存在感も大きく、圧迫されているような感覚にもなります。
板張りの壁は掲示板的に使ったり、釘やビスも後から使いやすく部屋のどこかにあるととても便利なものです。
小さな面積であれば節も気にならないのですが、壁一面ともなる良く考えて使わないと少し落ち着かない空間になってしまいがちです。
目ざわりの良い優しい使い方のコツは、部屋の壁面積の1/3程度に抑えその他の壁は漆喰や和紙で仕上げること。
4面壁があるわけですからその1面程度を板壁にすると落ち着きます。
特に狭い空間の場合は壁1面であっても圧迫感を感じるものです。
そのようなときの使い方としては私の場合は、貼る高さを床から天井まででは無く、窓の高さまでで抑えます。そうすることで部屋の広さが増すような印象になり、圧迫感もなくなります。
また、壁材に使う場合は床とは違い荷重を受けるわけでは無いので、その意味での厚みは必要ありません。9mm程度の板材でも十分、室内の空気環境に貢献してくれます。
床よりも節などに気を使う。
薄くてもいいので少しランクの高い(床材よりワンランク)節の少ない又はほとんどない板を使うと、目ざわりの良い落ち着いた部屋になります。
全て板がよいという方もいると思いますし、それが部屋としておかしいというわけではありません。
あくまで設計者としての感覚です。
壁に使う場合の目的は、室内空気環境(主に湿度の調整)と掲示などの利便性と目ざわりの良さです。