築年数28年
私と同世代50代を過ぎました。生活環境が大きく替わる時期なのです。
新たにつくるか、改修するのか皆さん悩みます。この時に暮らしの変化についていけない家は壊されてしまいます。
子供達の独立から両親の介護など、それぞれの家庭にそれぞれの事情があり、ただの設備更新では済まない暮らしの変化です。
手を入れるのであれば、この先大きな改修が必要ないようにしなければいけません。
新築同様に考えることは沢山あるのです。
ネコの通路もできました。
少し狭いかな、太らないでね。
風を通すことは大切です。
ほとんどのドア上には欄間を設けました。
材料はほとんど杉を使います。
ドアは閉めても欄間を開ければ、空気は下から上に流れます。欄間はとっても有効な空気の循環装置です。
省エネルギーにもつながり、家族の気配も伝わります。
構造部分の補強はほぼ全て終わりました。
土曜日は定例の朝打合せで疑問点や懸案事項を打ち合わせしていきます。
必要な部分には建物の中であろうと基礎をつくり補強していきます。
リフォームだと新しい材木がひときわ目立ちます。
改修に使うのはほぼ全て杉、一部桧となり、地域な材料でまかないます。
2013.7/18 解体工事からスタートしました。
無駄にならない範囲で職人さんを多く入れていただき、リフォームなので工期の短縮を図ります。
特に最初にやらなければいけない解体工事などは早いに越したことはありません。
設備の入れ替え程や内装の模様替え程度のリフォームであれば設計事務所に依頼するメリットはほとんどありません。
今回の改修の大きな目的は3つ
この目的を達成するために設計事務所に相談に来られました。
まず一つが、生活の変化に対応する間取りの変更
〇子供が独立し、別々に暮らしている親御さんとの介護を念頭に入れた同居を考えています。
暮らし方が今までとは当然変わります。
寝室の変更からリビングの取り方など、今の構造を優先しながらどこまで使いやすくできるのか、そこが勝負です。
二つめの目的は断熱改修
〇築年数は27年それほど古い家ではありませんが、冬は結露に悩まされ、床は氷のように冷たくなり、フローリングの上にはカーペットが2重に敷かれていました。
結露が無く、お年寄りにも優しい温熱環境が提供できるかが勝負です。
三つめの目的は耐震改修
〇当時の住宅金融公庫を使い建てた家なので、当時の基準は満たしているようですが、今後安心して暮らすには構造をこの機会に見直し、後で手を入れる必要が無いようにしておきたい。
当然の考えですね、老齢世帯での改修工事は体力的にも金銭的にもたいへんです。
今後手を入れなくても住めるように頑張ります。
リノベーション
ここまでやればもはやリフォーム(元に戻す的)な改装では無く新しい価値の創造と言えると思います。これがリノベーションではないでしょうか。
工事の担当はこちらです。
基礎の補強
必要な場所には床下に新たに基礎を造ります。
基礎の補強
必要なところには土間コンクリートも施工します。
赤いのは鉄骨の梁です。
当時は鉄骨は強いと言ってよく入れられた様ですが、確かに単体で強度を考えれば木より強いかもしれませんが、基本的に木造との相性は最悪です。
幾ら大きな鉄骨梁を使おうと、木の梁らにボルトで留めているだけなのですから、強度は柱がボルトと接している部分で決まります。
木材同士であれば、仕口や継ぎ手など材同士に力を伝える方法があります。
安易に異種材料は使うべきではないのです。