小川町で昭和のお家40年代です。
丁寧に大切に使われてきたことがわかります。
外回りは当時のままの木製建具、内部もほぼ当時のままですが、寒いのです、暑いのです。
ご相談を受けご訪問し、提案することになりました。
良さを残しながら快適に、廊下でつながる個室を開放し風が抜ける改修を行います。
さらにテラスを出して素敵な庭とのつながりを大切にします。
また、断熱強化に合わせて土壁と薪ストーブで快適に過ぎしていただく計画です。
隙間風で寒いのです。
確かにそうですね。でも使い続けたのも素晴らしいと思いました。
アルミサッシで暖かくと依頼されましたが、あえてまたまた木製建具を対案させていただ来ました。
木製建具もガラス欄間も大阪障子もいい感じです。
雰囲気は壊さないような改修をいたします。
建築的にはほぼ完成、あとはストーブを設置して、屋根に太陽光のパネルを載せます。
竣工は来月です。
お楽しみに。
低い天井です。
世間では高い天井がはやっているようですが、身の丈に合った高さってあると思うし見た目にバランスもいいと思うのです。
落ち着くし。
玄関土間は既存のモルタルの上に洗い出しとしました。
洗い出しでは一般に那智石や大磯石など石をメインに仕上がますが、この洗い出しは山砂を使い少しだけ明るい石をちりばめています。
このへんは左官屋さんのセンスですね。
左官といえば居間になる部屋のストーブを置く背中の壁は土壁です。
土の蓄熱性も楽しみです。
玄関は暗めだったので少し明るく手の入らない巾で縦格子としました。
材はやはり杉の柾目
欄間は通風性を求めて無双窓です。
断熱性能は確かに良くはありませんが、通風性を優先しました。
外部の意建具は木製です。杉の柾目で枠をつくりガラスはペアガラス、引き寄せ金物で気密性も高まります。
一般的にコストを考えるとアルミサッシという選択が多いと思いますが、木製建具もちゃんと作れば気密性も断熱性も高く長持ちもします。
やってはいけないのは雨のかかる場所に使うことです。
床の養生を取りました。桧がきれいです。
増築の基礎工事などをやっています。
既存の壁を剥がしてみたらユニークな筋交いの入れ方。
これは柱の浮き上がらを防ぐための筋交いというより朴杖に近いですね。
耐震的には建物にとって意味はないけど壁の強度としては上がるのかな、そもそもこれが45×90程度のしっかりした材なら震の時に柱が折れるという事になりそうです。
剥がして入れ直し。
撤去するもの撤去して一度現状を整理します。
この段階で一度立ち止まりよくよく見てみるとまた課題が現れます。
風が抜けるのを邪魔していた押入れを壊し、風通しを良くし、畳を撤去しました。
和室でしたが和の雰囲気の部屋に替えます。
床は桧で節を抑えた品のよいものを使います。
壁は漆喰と和紙にします。
天井は桜丸太の竿縁がいい感じなのでこのままです。
最も熱が逃げる天井上は16kのグラスウールを200mm
壁は改修部分のみ100mm充填
床下は発泡系45mmを下から目張りして入れました。
天井上は50度以上、暑い夏でした。
またほとんど使われていなかった金物を補強で入れました。
このころの建物は伝統工法ではなくいわゆる在来工法ですが、金物軽視の時代です。
伝統工法のような仕口があるわけではなく、かといって今のようにしっかりと金物が使われているわけではありません。
在来工法が確立される過度期の建物です。
寒いはずです。
床下に潜ると部屋の明かりが隙間からよく差し込みます。
天井上にも当然ながら断熱材はありません。
風通しを良くするために玄関側にあった押入れを一つ撤去しました。
電気配線も古く碍子引きです。
電気配線はすべて漏電確認の上、改修いたします。
断熱はセルロースを吹き込むことも考えましたが、後々のメンテナンスを考慮しGWを採用しました。
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