グレーな部分はリサイクルウール
天井仕上げは杉板21mmの上はプラスターボード12、その上はウール300mm
断熱のお話し。
グレーに見える部分は作業室と収蔵庫(大きなワインセラー)を隔てる室内壁の壁断熱で素材はリサイクルのウールです。厚みは150mmあります。
基礎のコンクリートもスタイロフォームの30mmを打ち込んでいます。
屋外の壁は外から行くと
1:ガルバリウム鋼板
2:通気層20mm(この通気層で加熱したガルバリウムの熱を少しでも排出します)
3:フェノールフォーム50mm(性能値の高い外張り断熱素材です)
4:リサイクルウール150mm
5:土壁75~90mm
屋根は
1:ガルバリウム鋼板
2:杉野地板15mm
3:通気層90mm
4:スタイロフォーム90mm
5:構造用合板24mm
6:小屋裏空間
7:リサイクルウール300mm
8:プラスターボード12.5mm
9:杉板20mm
こんな仕様です。
素材の組み合わせにも意味があり、気密は重視せず仕上げが土壁や板なのでそこを通過した水蒸気は壁内に入り結露せずに屋外に抜ける仕組みです。
断熱の役割はもちろん室内に熱を伝えないことですが、実際に伝えないということは不可能でどんな高性能な断熱材でも熱は伝えます。伝えないのは真空
断熱の考え方はできるだけ熱の伝わりを遅くすることにつきます。
それには厚みがいるのです。
じわじわと外部の熱は断熱材を伝わりいずれは外部と内部の温度は平衡状態になります。
断熱の壁が厚ければ、朝気温が上がりじわじわ熱が伝わりだしても室内に到達するには時間がかかります。午後2時ごろ最高気温になっても熱が伝わらなければ外気温は徐々に下がります。
よく外断熱は断熱性能が高いともっともらしく語る方がいますが、外断熱とはせいぜい厚みは30mmから50mmそれ以上は施工上問題があり普通は使いません。
30mm程度の厚みではいくら素材として性能値が高くてもすぐに室内に熱は到達してしまいます。
というわけで断熱は厚みが肝心なのです。
ワイナリーの収蔵庫は温度変化を嫌うということでできるだけ熱容量も大きく温度変化しにくい土壁を厚く施工しています。
熱容量が大きいとは暖まりにくく冷めにくいという素材の性質で瓦や土や石、コンクリートなどもそうです。
熱容量が大きいと熱は伝わりにくいのです。
古くからある土蔵はこの考え方で造られ、物を収蔵するための工夫は昔のほうが空調に頼れない分、素材の力によるところが大きかったのだと思います。
土壁左官工事
屋根板金工事
土壁は重労働ですがやりがいのある仕事だと思います。
重たい
濡れる
冬は冷たいし大変ですが世界中どこに行ってもできる仕事ですね。
その土地の土を使い壁を仕上げることは砂漠地帯でもない限り世界共通です。
工夫次第でいろいろな表情を出すことができ、職人により壁の表情も違います。
若い左官屋さんです。
一緒に土壁仕事増やしていきたいです。
屋根も大変な仕事です。
冬は凍える
夏は灼熱
堅いし熱いし冷たいし
雨が降ると仕事にならない。
板金仕事は雨から建物を守るとても重要な仕事です。
雨のことをよく知らないといけません。
職人的な板金仕事も増やしていきたいです。
今週のワイナリー
現場は基礎工事が進行中なのです。
着工後は雨が多く、台風もきたりでなかなか軌道に乗りませんが直着と進んでいます。
基礎は根切から型枠、鉄筋工事と進み、コンクリートを打設しますが高低差があるので何回かに分けてコンクリートを施工していきます。
敷地に高低差があるのでなかなか現場は大変です。
現場以外では電気設備・給排水設備の配管経路や工事のタイミングなど打ち合わせと、構造材加工の最終確認など今週は行いました。
打合せ場所は施工の杉田工務店さん(小川町)事務所です。
電気工事は小川町のエルガ
給排水はやはり小川町の後藤設備さんです。